お盆が法定の祝日ではないのに休みになる理由
お盆自体は祝日ではありませんが、多くの企業がこの期間を休日に指定しています。これは、江戸時代に存在していた「藪入り（やぶいり）」という夏に帰省する風習が受け継がれたためとされています。
藪入りは、住み込みで働く奉公人が、お正月とお盆の16日前後に休みを取って実家に帰る習慣でした。この習慣は現代でも年末年始や夏の帰省として残っています。特に夏の帰省はお盆の風習と結びつき、家族や親族がそろってご先祖様の供養を行う風習として根付きました。
お盆とはどういう意味なのか？
ここまでお盆の期間と過ごし方について紹介しましたが、お盆はどのようにして成り立ったのでしょうか？ここでは、お盆の意味と由来を簡単に解説いたします。
お盆は、7月15日（または8月15日）に行われる夏の先祖供養行事のことを指します。「お盆」という言葉は、仏教における「盂蘭盆会（うらぼんえ）」、または「盂蘭盆（うらぼん）」を略したものです。昔、お釈迦様のお弟子である目連様の母親が餓鬼道に落ちた時、お釈迦様の教えに従って多くの高僧たちに食べ物や飲み物を施し、その功徳が母を救ったことが由来とされています。
現代社会におけるお盆の意味
中国から伝わった仏教に基づく盂蘭盆会と、日本に古来からあったご先祖様に感謝する習慣が融合して、お盆として現在まで伝えられてきました。最近は家族が離れて暮らすことが多くなりましたが、お盆はそんな家族が一堂に会する機会です。ぜひご先祖様や故人への感謝と供養を行いながら、思い出話に花を咲かせる大切な期間としてください。
お盆の期間にやるべきこと5つの提案
お盆は、あの世にいらっしゃるご先祖様や故人様をお迎えして感謝を伝える期間です。ご自宅で迎え火を焚いてお迎えし、お仏壇周りへのお盆飾りやお供え、お墓参りなどのご供養を行うのが一般的です。以下に具体的に紹介します。
- 迎え火と送り火を行ってご先祖様の迎え入れと見送りをする
お盆は、ご先祖様をご自宅にお迎えする行事です。お迎えの際には家の玄関先や庭先（地域によってはお墓）で「迎え火」を、お見送りの際には「送り火」をします。送り火には、新盆用の提灯やまこも、牛馬などを一緒に燃やす場合もあります。ただし、近年はマンションに住む方も多く、火が焚けない場合もあるため絶対ではありません。 - 仏壇の周りにお盆の飾り付けをしてお参りをする
お盆には、故人様への気持ちを表すために、お仏壇の周りにお盆提灯や牛馬（なす・きゅうり）などのお盆飾りをしたり、果物やお花などのお供えを行います。お盆初日にお飾りしても問題ありませんが、慌ただしくならないよう、お盆の1週間前など早めに準備しておくと安心です。 - 家族で一緒にお墓参りをする
お盆時期には、家族揃ってお墓参りに行き、お墓掃除とお参りを行うのが一般的です。日にちに絶対的な決まりはありませんが、ご先祖様のお迎えの意味を込めて、13日（お盆入り）のお墓参りが最適とされています。地域によっては、お墓で迎え火を焚いたり、お墓のローソクから「お迎え提灯」という手持ち提灯に火を移し、家まで持ち帰ってご先祖様を案内する風習も残っています。 - お盆を迎えるご家庭に供え物を送る
お盆を迎えるご家庭には、お線香などお仏壇周りの消耗品やお菓子、果物のお供えを贈るのが通例です。宅配便で送る場合、先方が13日からのお盆に使えるよう日程に余裕を持って送りましょう。 - 家族や親戚と供養の今後について相談する
お盆は、普段なかなか集まるのが難しいご家族・ご親族が集まる機会です。これからのご供養について話し合うのもおすすめです。お盆時期によく相談される話題としては、仏壇の買い替え、墓じまいや供養方法の変更などがあります。
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